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感音性難聴は、音は聞こえているのに言葉がはっきりしないという特徴がある難聴です。難聴と診断される実に多くの方が、感音性難聴といわれています。
加齢や騒音、疾患などさまざまな原因で起こり、気づかないうちに進行していることも少なくありません。
こうした聞こえにくさの改善に有効とされているのが補聴器です。
本記事では、感音性難聴とはどのようなものなのか、補聴器の使用によって聞こえ方がどのように変化し、生活にどのような改善が期待できるのかを具体的に解説します。
ご自身の聞こえにくさはもちろん、聞こえにお悩みを持つ方のご家族の方にも、適切なサポートを選んでいただく際の参考になれば幸いです。
感音性難聴とは

感音性難聴とは、内耳や聴神経の働きが低下することで起こる難聴で、難聴の中でも最も多いタイプです。
耳は、外耳・中耳・内耳の順に音を伝える構造になっており、外耳で集めた音を中耳で増幅し、内耳から脳へと伝えています。
感音性難聴では、音自体はある程度聞こえていても、内耳や聴神経の機能低下によって音の情報が正確に伝わらず、言葉の内容をはっきり理解しにくくなります。
つまり、感音性難聴は、単に音が小さく聞こえるのではなく、言葉の聞き取りにくさが特徴です。テレビや声の音量を上げれば聞こえるというようなものではないため、周囲からは難聴に気づかれにくい一方で、ご本人様は聞き取りにくさやストレスを感じやすいという特徴があります。
伝音性難聴・混合性難聴との違い
難聴には、感音性難聴のほかに、伝音性難聴や混合性難聴があります。
これらは、耳のどの部分に問題があるかによって分類されます。
- 感音性難聴:内耳や聴神経の機能低下による難聴です。音は聞こえても言葉が不明瞭に感じられます。加齢などが原因で起こることが多く、回復が難しいケースが一般的です。
- 伝音性難聴:外耳や中耳の異常によって音がうまく伝わらない難聴です。音全体が小さく聞こえるのが特徴で、耳垢の詰まりや中耳炎などが原因となり、治療で改善することがあります。
- 混合性難聴:感音性難聴と伝音性難聴の両方が重なった状態です。症状や原因に応じて、複合的な対処が必要になります。
感音性難聴の症状・聞こえ方のチェックリスト
感音性難聴では、以下のような症状が見られることがあります。
- 音は聞こえるが、言葉がはっきりしない
- 「さ行」「は行」などの子音が聞き取りにくい
- 高い音が聞こえにくい
- 騒がしい場所での会話が難しい
- 聞き返すことが増えた
- 耳鳴りがある
- テレビの音量が大きくなった
- 急に聞こえにくくなった
- 年齢とともに聞こえにくくなってきた
このような状態を放置すると、コミュニケーションの減少や生活の質の低下につながる可能性があります。
また、聞こえにくさによる疲労感やストレスは、認知機能の低下や気分の落ち込みにつながることがあるため、早めの対処が重要です。
感音性難聴の原因

感音性難聴の原因は、加齢や環境要因、疾患など多岐にわたります。
原因によって、片耳に起こる場合と両耳に起こる場合があります。
主な原因は以下のとおりです。
- 加齢(加齢性難聴)
- 騒音
- 突発性難聴
- メニエール病
- 聴神経腫瘍
- 頭部外傷
- 遺伝的要因
この中でも、特に加齢による難聴は感音性難聴の原因の中でも割合が多く、年齢とともに徐々に進行するのが一般的です。
感音性難聴への対処法

感音性難聴への対処は、原因や進行状況によって異なります。
回復を目指す治療と、聞こえを補うサポートの両面から考えることが必要です。
医療機関での治療
突発性難聴などの疾患が原因の場合は、早期に適切な治療を行うことで、聴力の回復が期待できる場合があります。
発症から時間が経つほど回復が難しくなる傾向があるため、できるだけ早く医療機関を受診することが重要です。
一方、加齢による感音性難聴のように、根本的な回復が難しいケースもあります。
治療の可否に関わらず、医療機関による聴力検査や診断によって状態を正確に把握することが、適切な対処につながります。
補聴器の使用
感音性難聴は、多くの場合、治療による回復が難しいとされています。そのため、聞こえをサポートする手段として補聴器の活用が有効です。
補聴器は、周囲の音をマイクで拾い、個人の聴力に合わせて調整して伝える医療機器です。音を大きくするだけでなく、聞き取りやすい音質に整えることで、会話の理解をサポートします。
感音性難聴では、音は聞こえても言葉が不明瞭になるため、補聴器によって音のバランスを最適にすることで、聞き取りやすさの改善が期待できます。
また、「聞こえにくくても生活できるから大丈夫」「補聴器の使用は最終手段」と考えている方も少なくありません。
しかし、補聴器は軽度難聴の段階から使用を開始するのが望ましいとされています。
早期に使用し始めることで、脳の言語識別能力を維持しやすく、補聴器の音にも適応しやすいというメリットがあります。
人工内耳の使用
重度の難聴で、補聴器では十分な効果が得られない場合には、人工内耳を検討することがあります。
人工内耳は、手術によって体内に埋め込む医療機器で、耳の後ろに装着する体外装置と、内耳のインプラントで構成されています。
マイクが拾った音を電気信号に変換し、聴神経を直接刺激することで音を伝えます。
なお、手術後すぐに自然な聞こえが得られるわけではなく、音に慣れるためのリハビリテーションや継続的なトレーニングが必要となります。
感音性難聴は補聴器でどう変わる?

補聴器を使用することで、感音性難聴による不明瞭な音は、聞き分けやすい音に調整されます。
ここでは、その仕組みと、日常生活でどのような変化が期待できるのかを具体的に解説します。
補聴器の使用による感音性難聴への効果
感音性難聴では、内耳の有毛細胞の働きが低下し、音の大きさだけでなく周波数や強弱といった細かな違いを正確に捉えにくくなります。
その結果、言葉の輪郭がぼやけ、特に子音(さ行やは行など)が聞き取りづらくなります。
補聴器は、こうした聞こえの低下に対して、周波数ごとに音を調整することで、聞き取りにくい音域を補い、言葉を理解しやすい音に近づける医療機器です。
音を単純に大きくするのではなく、その人の聴力に合わせて「聞こえにくい音だけを補う」点が大きな特徴といえます。
たとえば、高音域が聞き取りにくい場合には、その帯域を重点的に補正することで、従来では聞き逃していた子音が聞こえるようになるケースもあります。
さらに、雑音を抑制する機能や会話音を強調する機能により、騒がしい環境でも必要な音を聞き分けやすくなるでしょう。
このように補聴器は、音量だけでなく音質も最適化することで、脳が言葉として認識しやすい音に整え、一人ひとりに合わせた聞こえをサポートします。
なお、補聴器を使い始めたばかりのころは、久しぶりに聞こえてくる音の多さに戸惑うこともあります。しかし、使い続けて脳が音に慣れてくると、会話のストレスが減り、音楽や環境音の豊かさを改めて実感される方も少なくありません。
補聴器で改善が期待できること
補聴器を使用することで、日常生活では以下のような変化が期待できます。
- 会話の聞き取りやすさの向上
- 聞き返しの減少
- テレビや音楽の音の明瞭化
- 生活音(インターホンや車の接近音)への気づきやすさの向上
- 聞こえにくさによるストレスの軽減
- 社会参加の促進
また、日本耳鼻咽喉科学会によると、難聴を放置することで「認知症の発生リスクが高まる」「社会的に孤立してうつ状態になる」といった影響が生じる可能性があるとされています。
聞こえにくさを感じながらも「まだ大丈夫」と先延ばしにすることは、こうした二次的なリスクにもつながりかねません。
補聴器は聞こえを補うだけでなく、日常生活の安心感や、人との交流のしやすさを取り戻すための手段でもあるのです。
補聴器の選び方・注意点
補聴器には、形状や性能によってさまざまな種類があり、聴力や生活環境に合わせて選ぶことが重要です。
まずは医療機関で聴力検査を受け、難聴の程度や聞こえ方の特徴を正確に把握しましょう。そのうえで、補聴器専門店で専門スタッフのカウンセリングを受けながら、自分に合った補聴器を選ぶことが大切です。
また、補聴器は使用しながら調整を重ねていく医療機器です。
購入後も定期的な調整を行うことで、より自然で快適な聞こえに近づけることができます。
感音性難聴に補聴器は効果ある?原因と対処法、聞こえ方の変化を解説|まとめ
感音性難聴は、内耳や聴神経の機能低下によって起こる難聴で、加齢とともに多くの方にみられます。
原因によっては治療が可能なケースもありますが、回復が難しい場合も多く、補聴器による聞こえのサポートが有効な選択肢となります。
大切なのは、聞こえにくさを感じたときに放置せず、早めに自分に合ったサポートを受けることです。
補聴器を適切に活用することで、会話の聞き取りやすさが向上し、日常の安心感や人との交流のしやすさにつながります。
愛知県補聴器センター・岐阜県補聴器センターでは、ご本人様はもちろん、ご家族の方と一緒にご来店いただき、普段の生活のことも含めてじっくりとお話を伺いながら、最適な補聴器をご提案しています。
聞こえにお悩みがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。
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