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補聴器と集音器を比較すると、見た目は似ているものも多いですが、機能や価格帯に大きな違いがあります。
しかし、難聴に悩まれている方やそのご家族は、補聴器と集音器の違いが分からず、どちらを購入すればいいのか迷った末に値段だけで選んでしまうケースも多いのではないでしょうか。
補聴器も集音器も生活に関わるものなので、違いがわからないまま購入してしまうと、快適な聞こえに繋がらないケースも多々あります。
この記事では、補聴器と集音器の違い、購入方法や価格について紹介します。
どちらを購入すべきか迷った際の選び方のポイントも解説していきますので、ぜひ最後までご一読ください。
どっちがいい?補聴器と集音器の違いとは

補聴器と集音器の違いがわからないまま、自分に合っていないものを購入してしまうのはとてもリスクが高いです。補聴器と集音器には主に3つの違いがあります。
・補聴器は調整ができる、集音器は調整ができない
・補聴器と集音器で価格に違いがある
ここでは補聴器と集音器の違いについて、それぞれご紹介します。
医療機器が補聴器、音響機器が集音器
補聴器と集音器の違いとして最初に挙げられるのは、商品カテゴリーの違いです。
補聴器は厚生労働省から管理医療機器としての認可が下りなければその名前を使用することができないため、基準を満たす必要があります。
そのため、補聴器は出力制限などの安全性や有効性などの基本性能が保証されています。
一方、集音器はあくまでも音響機器であり、国からの認可は受けていないため、基本性能が保証されていません。
補聴器と同じ出力制限の機能が付いている集音器もありますが、補聴器の認可を受けるには、出力制限以外の薬機法で定められた厳しい条件を満たす必要があります。
補聴器は調整ができる、集音器は調整ができない
補聴器と集音器の2つ目の違いは、音質調整できるかどうかの違いです。
補聴器は聴力測定で聞こえにくい音域を測定して、1人ひとりの聞こえに合わせてプロの手で音質を調整することが可能です。
継続して補聴器を使用する中で聞こえが変わった場合でも、アフターフォローとしてその後の聞こえに合わせて再調整することができるのも補聴器の特徴です。
一方、集音器はプロによる細やかな音域の調整をすることができないので、それぞれの聴力に合わせた調整ができません。
聴力測定をすることはなく、購入した集音器をそのまま使用することになるため、事前に難聴の症状が集音器で解決するのかを調べておく必要があります。
難聴については下記の記事でも詳しく解説しているので、合わせてご覧ください。
補聴器と集音器で価格に違いがある
補聴器と集音器の3つ目の違いは、価格の違いです。
補聴器は概ね40,000円~600,000円と高額な製品が多く販売されています。
高額になる要因は様々ですが、厚生労働省の厳しい審査をクリアするために開発費が多くかけられていることも要因の1つです。
一方、集音器は10,000円以下の製品も販売されています。
集音器は厚生労働省の認可を得ずに、誰でも販売をすることができるのが特徴です。
インターネットでも様々な集音器が販売されていますが、ご自身の聴力に合わないなどといった問題が生じることもあるため、注意しましょう。
なお、補聴器を購入する際には、補助金制度を利用することで費用を抑えられる場合もあります。
補聴器購入時に利用できる補助金については、以下の記事をご参照ください。
▶補聴器を購入するときに利用できる補助金制度とは?申請方法などを解説
補聴器の特徴

補聴器は聴力が低下した人の聞こえをサポートする医療機器です。
1949年に身体障害者福祉法が制定されてから、補聴器の販売と普及が進められていきました。2000年代からはアナログ補聴器からデジタル補聴器へと移行が進み、現在はデジタル補聴器が主流となっています。
近年では、1人ひとりに合わせた調整だけではなくBluetoothを採用したスマートフォンと連動している補聴器やAIを活用して環境に合わせた音質調整がその場で出来る機能が付いた補聴器なども開発されています。
補聴器の購入方法
補聴器の購入の際に、補聴器専門店以外でも補聴器が売られているケースもありますが、補聴器の購入は補聴器専門店での購入をおすすめします。
補聴器専門店は日本補聴器販売店協会が定める禁忌8項目を遵守して販売しているので安心でき、アフターフォローも充実しています。
補聴器の価格
ボックスタイプ補聴器 | 耳掛けタイプ補聴器 | 耳穴タイプ補聴器 | 子ども用補聴器 |
---|---|---|---|
30,000円~100,000円程度 | 78,000円~670,000円程度 | 100,000円~680,000円程度 | 130,000円~400,000円程度 |
補聴器には様々なタイプがあるので、それによって価格が変動します。
自分に合った補聴器を見つけるには、専門的な知識を有している補聴器専門店で相談してみましょう。
補聴器専門店には補聴器のプロが常に居ますので、要望に応じて補聴器を選んでくれることがメリットです。
補聴器を購入したいけど金額で悩んでいるという方は、予算などについてもプロに相談し、自身に合った補聴器を探しましょう。
集音器の特徴

集音器も補聴器と同じで聞こえのサポートをしますが、先述したように厚生労働省による認可がされていません。
集音器は、補聴器よりも購入方法や値段などの面で気軽に購入できる、といった理由で使用されている方もいます。
しかし、集音器は1人ひとりに合わせた聞こえの調整が出来ず、全ての音を大きくするか小さくすることしか出来ないため、人によって合う合わないの差が大きいのが特徴です。
今お使いの集音器に満足していない方は、お近くの愛知県補聴器センター・岐阜県補聴器センターへお気軽にご相談ください!
補聴器専門店のスタッフが、聞こえに合った適切な補聴器をご案内いたします。
集音器の購入方法
集音器は医療機器ではないので、インターネットでの購入や一般家電量販店での購入が可能です。
集音器は手軽に購入することができますが、それぞれの集音器で機能が異なるので自分に合った集音器を探すのは難しいかもしれません。
購入する際に最も重要となるのは、補聴器と集音器の違いを理解することです。
集音器の価格
集音器 | 3,000円~70,000円程度 |
---|
集音器は補聴器と比較して、医療機器メーカー以外が販売していることもあり安価な集音器が多いですが、機能によっては高額な集音器も販売されています。
あまりに安価な集音器は取扱いに注意が必要な場合が多いので、慎重に選ぶ必要があります。さらに集音器は医療機器ではないので、課税対象(消費税10%)になります。
補聴器と集音器どちらを買うか迷ったら?選び方のポイント

補聴器と集音器の違いが分かっても、いざ購入するとなったらどちらを選んだらいいか分からないという方もいらっしゃることでしょう。
そこで以下では、補聴器と集音器の選び方のポイントを解説していきますので、どちらを選ぶか検討している方はぜひ参考にしてください。
使用目的で選ぶ
補聴器や集音器では機能や性能が異なるため、使用する目的に合わせて選ぶ必要があります。
会話や日常生活で聞こえにくさを感じているという方は、補聴器を選ぶのがおすすめです。
集音器は声の増幅が目的ですが、会話が飛び交うような場面で使用すると不要な会話も拾ってしまい、かえって聞き取りづらくなってしまう可能性があります。
「ご自身の聞こえの状態がわからない」という方は、お近くの愛知県補聴器センター・岐阜県補聴器センターへお気軽にご相談ください。
聞こえ方を試してみてから選ぶ
実際に装着して聞こえの違いを体験してから補聴器と集音器のどちらを購入するかを選ぶのも良いでしょう。
店舗によりますが、集音器は家電量販店などで購入前に試着できる場合もあります。
それとは違い、補聴器は専門店などで実際に装着することができるので、専門相談員などのプロに相談しながら選ぶことができます。
店舗に訪れる機会があった場合には、実際に商品で聞こえ方の違いを感じてみるのも良いでしょう。
補聴器と集音器の違い|まとめ
補聴器と集音器の違いを理解することは、聞こえを改善させるためにも必要なことです。
補聴器は集音器と比較して高価ではありますが、1人ひとりに合わせた調整をすることができるので、集音器から補聴器に変える方もいらっしゃいます。
それぞれの違いを理解して、自分に合った補聴器や集音器を選びましょう。
「今の集音器が合っていない」
「自分に合うのが補聴器か集音器なのかわからない」
愛知県・岐阜県で、このようなお悩みをお持ちの方は、お近くの愛知県補聴器センター・岐阜県補聴器センターへお気軽にご相談ください!
ご自宅・介護施設への無料出張で聴力測定や補聴器の体験をすることもできます!