耳が聞こえにくい年齢は何歳から?加齢による聴力の変化

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「最近、人の話を聞き返すことが増えた」「テレビの音量が以前より大きくなった」など、耳が聞こえにくいと感じたことはありませんか。

耳の聞こえにくさは、高齢になって突然始まるものではありません。耳が聞こえにくいと感じる年齢には個人差がありますが、耳の老化は30代頃から少しずつ始まると言われています。ただし、多くの人が変化を自覚するのは40~50代以降です。

この記事では、耳の老化が始まる年齢の目安や聴力の変化、聞こえにくくなる原因、対処法について分かりやすく解説します。

耳が聞こえにくい年齢は何歳から?

耳の聞こえにくさは、30代頃から始まり、40代以降になると徐々に聴力の変化が現れてきます。

加齢によって耳の中で音を感じ取る細胞の働きが弱くなると、特に高い音から聞き取りにくくなる傾向があります。

このような年齢に伴う聴力の低下は、加齢性難聴と呼ばれます。

高い音は若い人ほど聞こえやすい

私たちの身の回りには、気づかないうちに多くの高周波音が存在しています。

例えば、「モスキート音」と呼ばれる高周波の音は、若者の迷惑行為対策として駅や商業施設の入り口などに設置されることがあります。この音は主に10代から20代には聞こえますが、30代以降には聞こえにくくなる場合があります。

これは、加齢とともに高い音を感じ取る能力が徐々に低下するためです。

モスキート音はインターネット上のサイトやアプリでも再生できるため、ご自身の耳で聞こえるか試してみることもできます。

聴力とは音を聞き分ける力

聴力とは、様々な高さや強さの音を耳で認識し、聞き分ける力です。

音の高さは、振動の速さによって決まり、1秒間に振動する回数を表す「周波数」で示されます。その単位はHz(ヘルツ)で、数値が高いほど高い音、低いほど低い音になります。

一方、音の大きさは空気の振動の強さ(音圧)によって決まり、「dB(デシベル)」という単位で表されます。数値が大きいほど、音も大きくなります。

人が聞き取ることができる音の範囲は、一般的に約20Hzから20,000Hzとされています。また、日常会話の音の大きさは約50~60dBです。

健康診断で行われる聴力検査では、主に1,000Hzと4000Hzを使って、一定の音量が聞き取れるかを確認します。そのため、日常会話に近い中音域は確認できますが、すべての周波数の聴力をくわしく調べることはできません。

耳の聞こえ方に違和感がある場合は、一度詳しく聴力測定を受けるのがおすすめです。

年齢別にみる聴力の変化

国立病院機構東京医療センターと慶應義塾大学の研究では、2000年から2020年までに行われた約7万件の聴力検査の結果から1万人以上のデータを解析し、日本人の年代別平均聴力が分析されています。

出典:K.Wasano et al. ”Patterns of Hearing Changes in Women and Men from Denarians to Nonagenarians”, The Lancet Regional Health-Western Pacific (2021).

この研究では、周波数ごとに「どのくらいの大きさの音が聞こえるか」をグラフに示しています。

その結果、40代頃から聴力の変化が現れ、50~60代で聴力低下のスピードが早まることがわかりました。

特に8,000Hzの高い音は全年齢層で聴力低下が見られ、加齢とともに高い音から聞こえにくくなる傾向があります。

一方、4,000Hzの聴力が低下すると、携帯電話や体温計のアラーム、女性や子どもの声、さ行・た行・か行・は行といった音が聞き取りにくいことがあり、日常生活で不便を感じる場面が増えてきます。

さらに、1,000Hzは日常会話の音域です。この音が聞き取りにくい場合は難聴の可能性があり、場合によっては補聴器の使用を検討する場面があるでしょう。

  • 30〜40代:耳の老化が少しずつ始まりますが、生活への影響はほとんどなく、多くの人が変化に気づきません。
  • 50代:加齢による聴力変化が現れやすい年代です。騒がしい場所で会話が聞き取りにくかったり、電話の声が聞こえにくくなることがあります。
  • 60代:日常生活の中で耳が聞こえにくいと自覚する人が増えます。テレビの音量が以前より大きくなったり、会話を聞き返す回数が増えることがあります。
  • 70代以降:全体的な聴力が低下し、言葉がはっきり聞き取れないことがあります。軽度難聴のため、補聴器の使用を検討する人も多くなります。

耳が聞こえにくいときのセルフチェック

聴力の低下は自分では気づきにくく、知らないうちに難聴が進行してしまうことがあります。

日常生活で次のような変化がないか、確認してみましょう。

  • 会話中に聞き返すことが増えた
  • 呼びかけやインターホンに気づかないことがある
  • テレビやラジオの音量が以前より大きくなった
  • 電子レンジなどの電子音に気づかないことがある
  • 電話の声が聞き取りにくい
  • 騒がしい場所で会話が聞き取りにくい
  • 人の声や自分の声がこもって聞こえる

これらにあてはまる場合は、聴力が低下している可能性があります。気になる場合は、早めに聴力測定を受けるのが安心です。

聴力低下の原因

聴力低下の原因は年齢だけではなく、生活環境や健康状態も大きく関係しています。

  • 騒音:工事現場のような騒音の多い環境だけでなく、イヤホンやヘッドホンで大音量の音楽を長時間聞くことも耳への負担になる可能性が指摘されています。
  • 耳垢の詰まり:耳垢が溜まっているだけで聞こえにくくなる場合もあります。耳垢が気になる場合は、耳鼻咽喉科で取り除いてもらいましょう。
  • 生活習慣や持病:中耳炎や突発性難聴などの耳の病気のほか、高血圧や糖尿病、喫煙などが関係していることもあります。

気になる症状がある場合は、自己判断せず専門家へ相談することが大切です。

耳が聞こえにくい状態を放置するとどうなる?

近年、聴力と認知機能の関連が注目されています。

耳が聞こえにくいと、会話がしにくくなることで人との交流を避ける傾向があります。部屋に閉じこもった生活は脳への刺激が少なく、認知機能の低下につながる可能性が指摘されています。

また、聞き取りにくい状態では会話を理解するために多くの集中力を費やす必要があるため、脳への負担が増えるともいわれています。

このように、聴力の低下を放置することは、聴力のみならず、脳の認知機能にも影響をもたらす可能性があります。

認知症のリスクを取り除くためにも、耳が聞こえにくいと感じた場合は早めに対処することが重要です。

耳が聞こえにくいと感じたらどうするべき?

聞こえにくさを感じた場合は、まず聴力測定を受けることをおすすめします。どの音の高さが聞き取りにくいのかを詳しく調べ、現在の聴力を確認することができます。

聴力は年齢とともに徐々に低下していくため、自覚症状がなくても70歳を過ぎたら一度聴力検査を受けておくと安心です。

聴力測定の結果によっては、耳垢の詰まりや一時的な耳の不調など、治療によって改善するケースもあります。また、加齢による聴力低下がみられる場合には、生活習慣の見直しや経過観察が行われることもあります。

耳が聞こえにくいことで日常生活に影響している場合には、補聴器の使用を検討することも一つの方法です。

聴器は高齢になってから使い始めるよりも、早めに使用することで音に慣れやすく、会話を楽しみやすくなります。人との交流の機会を持つことは、認知機能の低下を防ぐことにもつながると言われています。

最近の補聴器は小型で目立ちにくいものが多く、周囲の環境に合わせて音を自動調整する機能など、性能も大きく向上しています。

専門医や補聴器専門店と相談しながら、自分に合った機器を選ぶことが大切です。

耳が聞こえにくい年齢は何歳から?まとめ

耳の老化は30代頃から始まり、40〜50代になると聴力の変化を感じやすくなります。60代以降になると、日常生活の中で耳が聞こえにくいと自覚する人が増えてきます。

年齢とともに聴力が低下することを加齢性難聴と言い、高い音から聞き取りにくくなるのが特徴です。

聴力低下の原因は年齢だけでなく、騒音や生活習慣、持病などさまざまな要因が関係しています。聞こえにくさを感じた場合はそのままにせず、聴力測定を受けて原因を確認することが大切です。

必要に応じて生活習慣を見直したり、補聴器を使用したりすることで、聞こえをサポートしながら生活の質を保つことができます。

耳の健康を守るためには、日頃から聞こえの変化に注意し、違和感があるときは早めに対応することが重要です。

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