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ご自身やご家族の中に、「周りから声が大きい人だと言われる」「テレビの音量が常に大きい」と感じる方はいませんか。
特に高齢の方の場合、それは単なる習慣ではなく、難聴が原因かもしれません。
また、耳が悪くなる・遠くなると、声が大きくなるという話しも聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では、「声が大きい人」が抱える難聴のメカニズムを解説し、見逃してはいけない具体的なサインを紹介します。
ご家族やご自身の聞こえに関するお悩みを解決できる一歩になれば幸いです。
「声が大きい人」と難聴の関係

声が大きいという現象は、聞こえの機能と自己監視機能の連動から説明できます。
単に大声を出しているのではなく、耳が悪いことが原因で、その人に特有の聴覚的な問題が起きているのです。
ここでは、「声が大きい人」と「難聴」の関係について詳しくご紹介します。
難聴によって声のボリュームが上がるメカニズム
私たちの聴覚には、自分の話す声の大きさを聞き、周囲の音量に合わせて無意識に調整する「モニター機能」があります。
しかし、難聴、特に加齢に伴う高音域の難聴が進行すると、自分の声が自分自身に小さく、またはこもって聞こえるようになります。
この状態になると、相手にきちんと聞こえているか不安になり、無意識のうちに声のボリュームを上げてしまうのです。
これが難聴が原因による「声が大きい人」になる主なメカニズムの一つです。
難聴のサイン:見逃せない5つの特徴

声のボリューム以外にも、難聴の初期段階で現れる特徴的なサインがあります。
これらは、聞こえの低下が日常生活に影響を与え始めている明確な兆候です。
ここでは、周囲の人が気づいてあげられる具体的な行動の変化を5つの特徴としてまとめました。
身近にご高齢のご家族がいらっしゃる方は、このようなサインがないかチェックしてみましょう。
テレビの音量が不自然に大きい
周りの人にとってはうるさく感じるほど、テレビやラジオの音量を大きく設定している状態です。
特に、ニュースのアナウンサーの声や女性の高い声など、高音域の音が聞き取りにくくなっている可能性があります。
テレビの音量の差は、ご本人の耳が悪いことを示す分かりやすいサインの一つです。
会話での聞き返しや聞き間違いが多い
日常の会話で、「え?」「何て言った?」といった聞き返しが頻繁に発生します。
また、会話の中で「し」と「ち」、「き」と「ひ」など、子音の聞き分けが難しくなり、全く違う内容に聞き間違えてしまうことも増えます。
これは、難聴によって言葉を区別する能力が低下しているためです。
騒がしい場所で特に聞き取りにくい
レストランや居酒屋、駅などの雑音が多い場所では、会話の聞き取りが著しく困難になります。
難聴が進行すると、脳が聞きたい言葉と雑音を区別する能力が低下するため、静かな場所では問題なくても、騒音下では全く会話が成立しなくなってしまうのです。
自分の声の大きさを把握できない
自分の声の大きさがわからないのは、まさに「聞こえが良くないから声が大きい人」の典型的なサインです。
ご本人は普通に話しているつもりでも、周囲からは大声に聞こえている状態です。
自分の声が小さく聞こえるため、適切なボリュームを把握できず、周囲から「もう少し声を落として」と注意されて初めてご自身の耳が悪いことに気づくことが多いようです。
耳鳴りや耳の詰まりを感じる
「キーン」「ジー」といった耳鳴りや、耳に水が入ったような詰まりを感じることも難聴のサインの一つです。
これらは、聴覚細胞がダメージを受けて起こる事もある現象であり、特に耳鳴りは、難聴が進行していることの警告音として捉える必要があります。
声が大きい人が抱える難聴のリスク

難聴を放置することは、「声が大きい人」として周囲との関係が悪化するだけでなく、健康面でも深刻なリスクを伴います。
難聴は単なる加齢現象と見過ごさず、早急に対策を検討する必要があります。
難聴放置による認知機能への影響
近年の研究では、難聴と認知症のリスク増大との関連性が指摘されています。
音が聞こえにくい状態を放置すると、脳が音を理解するために過剰なエネルギーを使うことになり、記憶や思考を司る脳の領域に負担がかかるためです。
また、補聴器などを活用した難聴の早期対策は、認知機能の低下予防に繋がるともいわれています。
コミュニケーションリスクと孤立
「声が大きい人」という印象から、周囲が話しかけにくくなったり、ご本人自身も話しかけられても内容を聴き取れないことが多いことから会話を避けるようになりやすいです。
これにより、家族や友人との交流が減少し、社会的な孤立へと加速するリスクがあります。
耳が悪いことが原因でコミュニケーションの質が低下する恐れにつながり、周囲との孤立やコミュニケーション不足は、精神的な健康にも大きな影響を及ぼすので注意が必要です。
自己流対策で大きな音を聞き続けるのもNG
また、難聴を改善しようとせず、テレビやラジオの音量を極端に上げ続けることは、聴力にとって大きなリスクです。
増幅された大音量は、残っている聴覚細胞にさらなるダメージを与え、難聴の進行を早めてしまう可能性があります。
適切な増幅がされていない音響機器での対策は避けるべきです。
難聴対策の専門家:補聴器専門店を選ぶ理由

ここまで、耳が悪いことによる声の大きさの変化についてご紹介しました。
声の大きさの変化や聞き返しなど、聴力の低下によるサインがあったら、自己解決しようとせず、プロのサポートを受けることが最善の道です。
記事の中盤でもご紹介したように、難聴は補聴器を使った早めの対策がとても重要です。
ここでは、なぜ補聴器による対策は重要なのかについて、より詳しくご紹介します。
補聴器の役割と声の大きさが改善する仕組み
補聴器は、ただ音量を上げるだけの機器ではありません。
難聴のタイプに合わせて必要な周波数だけを増幅することで、聞き取りにくかった自分の声がクリアに聞こえるようになります。
この改善により、ご本人の声のモニター機能が回復し、自然と話す声のボリュームが周囲に合わせた適切な大きさに戻るのです。
このメカニズムによって「声が大きい人」という悩みを根本的に解決します。
自己判断のリスクと補聴器の専門性
安価な集音器や自己判断での対策は、不必要な音を取り込みすぎるなど、かえって難聴を悪化させるリスクがあります。
一方、補聴器は医療機器であり、認定補聴器技能者が聴力測定に基づき、それぞれの悩みや症状に合わせてプログラムする機器です。
この専門的な調整こそが、難聴を安全にサポートするための重要な基準となるため、聞こえに少しでも不安がある方は補聴器専門店に相談しましょう。
失敗しない補聴器選びの3つの基準
補聴器選びで失敗しないためには、以下の3つの基準を満たす専門店を選ぶことが大切です。
- 認定補聴器技能者が在籍しているか
- 通いやすい距離にあるか
- 補聴器の試聴や購入後のアフターサービスが充実しているか
これらを満たす専門店を選ぶことで、長期的に安心して補聴器を使用し、難聴の問題を解決できます。
通いやすく相談しやすい専門店を選んで相談するのがおすすめです。
まとめ:「声が大きい人」「耳が悪いかも」だと感じたら
声が大きい人と聞こえが良くないという関係性は、放置してはいけない難聴の明確なサインです。
ご本人だけでなく、ご家族もこのサインを見逃さないことが大切です。
難聴を放置することは、認知機能のリスクを高め、生活の質を低下させることに繋がります。まずは補聴器専門店で相談することが、最も安全で効果的な解決策です。
補聴器専門店での相談は、聞こえのリスクを最小限に抑え、難聴の悩みを解決する第一歩です。
愛知県・岐阜県にお住まいの方は、お近くの愛知県補聴器センター・岐阜県補聴器センターへお気軽にお問い合わせください。