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補聴器の購入を考えている方の中には、「聞こえづらさはあるけど、聞こえない訳ではないから…」と補聴器の購入を先延ばしにしてしまう方がいます。
しかし、難聴が進行してしまうと事故や認知症のリスクがある事はご存知でしょうか?
「高齢の家族がいるけれど、いつから補聴器を勧めるべきか悩んでいる」「いつから補聴器って使い始めていいものなの?」とお悩みの方に向けて、補聴器はいつから使い始めるのが最適なのかについてやメリット、難聴のリスクについて解説します。
補聴器をどこで購入するのが最もおすすめなのかも紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。
目次
補聴器はいつから必要?

補聴器は難聴を感じたらなるべく早く使い始めるのがおすすめです。
医学的には補聴器を装用する基準は40db以上の難聴とされています。40db以上の難聴とは、日常の会話でも聞き間違いが増えてくるレベルの難聴です。
しかし、軽度な難聴だと「補聴器を装着するほどではない」と判断してしまい、その結果、難聴が進行しても補聴器を装用するタイミングを逃してしまう事があります。
補聴器をいつから使い始めるべきかのタイミングは、年齢だけで判断するのではなく、「聞こえづらいな」と自覚したときに早めに対処することが重要です。
難聴を自覚した時は放置せずに、専門家である補聴器販売店に相談してみましょう。
難聴のレベル
補聴器をいつから使い始めるべきかがわかったところで、ここからは難聴のレベルや原因について解説します。
| 難聴のレベル | 聞こえ方 |
|---|---|
| 軽度難聴(25dB~39dB) | 小さな声や騒音下での会話の聞き間違いや聞き取り困難を自覚する。 |
| 中等度難聴(40~69dB) | 普通の大きさの声の会話の聞き間違いや聞き取り困難を自覚する。 |
| 高度難聴(70~89dB) | 非常に大きい声か補聴器を用いないと会話が聞こえない。 |
| 重度難聴(90dB以上) | 補聴器でも、聞き取れない事が多い。 |
一般的に40dB以上の中等度難聴の方には補聴器を装用する事が勧められていますが、自分の聴力がどのレベルなのか自分自身で判断するのは困難です。
そのため、難聴の症状を感じたときには補聴器専門店に相談をしてみましょう。
| 難聴の種類 | 難聴の原因 |
|---|---|
| 感音難聴 | ・老化現象 ・先天性難聴 ・騒音 ・頭部外傷 ・遺伝的要因 など |
| 高音域難聴 | ・老化現象 ・先天性難聴 ・騒音 ・頭部外傷 ・遺伝的要因 など |
| 一側性難聴 | ・突発性難聴 ・ウイルス感染 ・メニエール病 ・聴神経腫瘍 ・薬剤の副作用 など |
| 伝音難聴 | ・小耳症や閉鎖症 ・出生時の欠損や変形 ・ダウン症候群、ゴールデンハー症候群 ・乳様突起炎や中耳炎 ・皮膚の腫瘍や嚢胞 など |
| 混合性難聴 | 伝音難聴の原因のいずれかに、感音難聴の原因のいずれかが加わり発症 |
加齢による難聴は40歳代の内はあまり自覚をする事はないですが、徐々に年齢を重ねていくと高音域の聴力レベルは下がってしまいます。
60歳代では軽度難聴レベルまで聴力が低下してしまう事もあるため、補聴器の早期装用をして予防するようにしましょう。
難聴には加齢・老化によって難聴になっていく場合や先天的難聴の場合などさまざまなケースが考えられます。
補聴器は何歳から使い始める人が多い?

難聴のレベルや原因については理解したけど、実際に補聴器を使い始める人が多いのは、どの年齢なのか気になる方も多いと思います。
ここでは、実際に補聴器を使い始める年齢について、日本補聴器工業会の調査データを見てみましょう。
年代別の聴力低下と補聴器使用状況
| 年代 | 聞こえにくさを感じる人の割合 | 補聴器の 使用率 |
特徴 |
|---|---|---|---|
| 45歳~54歳 | 5.5% | 1% 未満 |
この年代では一対一の会話は問題がなくても、会議や複数人との会話で聞き返しが多くなる症状が増えてくる |
| 55歳~64歳 | 8.9% | 6% 程度 |
まだ検討段階の方が多い年代 |
| 65歳~74歳 | 14.9% | 8.5% 程度 |
この年代から補聴器の使用率が上がり始める |
| 75歳以上 | 34.4% | 20% 程度 |
補聴器使用者全体の約73%がこの年代に集中している |
出典:難聴対策委員会報告 ‐難聴(聴覚障害)の程度分類について‐
補聴器を使い始める年齢は、聞こえにくさの自覚度合いや難聴の進行度によって様々ですが、データを見ていくと55歳~64歳以降に使い始める方が多いです。
「日常生活に支障が出るか」という点が、補聴器を検討し始めるポイントであると言えます。
補聴器を早期装用するメリット

生活に支障があまりないレベルでの難聴は補聴器を装用をしない方も多いですが、難聴の症状は進行してしまうため、なるべく早期に装用する事が大切です。
補聴器を早期装用する事には様々なメリットがあります。
- 聞こえが改善される
- 補聴器を装用している生活に早く慣れられる
- 補聴器の調整
補聴器を装用する事をネガティブに捉える方も多いですが、現在の補聴器はデザイン性が高いので一見補聴器には見えないおしゃれな補聴器が増えています。
そのため、補聴器に対してネガティブに捉えている方や、補聴器をいつから使ったらいいのかわからないという方は、一度お近くの補聴器専門店にご相談ください。
愛知県補聴器センター・岐阜県補聴器センターでは、最新の補聴器からご希望に合わせた補聴器をご紹介します!お近くにお住まいの方はぜひお気軽にお問い合わせください!
ここでは、補聴器を早めに使い始めるメリットについて解説します。
聞こえが改善される
補聴器を早期装用する事で、聞こえが改善されます
聞こえが改善される事で、これまではあまり聞こえていなかった音や人の声などが聞き取りやすくなります。
難聴によって声が聞こえにくいまま生活していると、声の聞き取りが悪くなってしまい、何について話をしているのかわからない事態が発生してしまいます。
これは難聴によって声が明瞭に聞こえないことで、会話が減ってしまう・TVを字幕で観てしまう等の生活習慣が変化することで、声を聞き取る能力が低下することで起きます。
このような声の聞き取りが悪い状態が続き、社会性が低下していくと認知症を発症してしまう要因にもなります。
補聴器を早期装用して聞こえを改善する事は、声を聞き取る能力を維持するのに有効です。
補聴器を装用している生活に早く慣れられる
補聴器を早期装用する事で、補聴器を装用している生活に早く慣れられる事ができます。
補聴器は非常に小型なので電池の付け外しや取り扱いにも慣れが必要になります。
高齢者だけではなく若い方でも、補聴器をなるべく早い段階で使い始めると負担が少なくなる事は大きなメリットです。
補聴器を使い始めてから音や声が聞こえやすい生活に慣れるまでには、難聴が進行する程時間がかかるため、難聴の症状を感じた方はなるべく早めに使い始めてみましょう!
補聴器の調整
補聴器は聞こえのレベルに合わせて調整が出来ます。
難聴は高音域が聞こえづらい方や特定の音域が聞こえづらい方など、聞こえづらい音域には個人差があります。
難聴は進行する程調整も難しくなっていきます。今ある技術で精一杯の調整をしても難聴のレベルが重いと思ったような効果が得られないことも少なくありません。
難聴のレベルが軽い内に補聴器を装用することで、上記の様な問題も解決出来ます。
補聴器の聞こえの調整は、専門店である補聴器センターで調整をしましょう。
補聴器を早期装用する事で、ご自身の聞こえのレベルに最適な補聴器に調整する事が出来るのがメリットです。
難聴によって引き起こされるリスク

補聴器を利用せず、難聴を放置したまま日常を過ごしてしまうと、様々なリスクがあります。
- 事故のリスク
- 認知症のリスク
ここからは、難聴が進行していくリスクについて解説します。
事故のリスク
難聴を放置してしまうと事故のリスクが高くなります。
軽度の難聴でも自分の周囲の環境音や人の声を認識しにくくなるため、健聴者と比較しても転倒のリスクなどが高くなってしまいます。
さらに後方から来る車や自転車にも気付きにくくなるので、交通事故に合うリスクも高くなります。
補聴器を装用する事で、事故のリスクが軽減されるだけではなく、緊急事態のときにも安心してコミュニケーションが取れます。
認知症のリスク
2017年の国際アルツハイマー病会議において、難聴は認知症の危険因子のひとつに挙げられました。
難聴になってしまう事で人とのコミュニケーションを避けがちになってしまい、脳に伝えられる音の刺激や情報量が少ない事で脳の萎縮や神経細胞の弱まりが進み、認知症に大きく影響するといわれています。
難聴を放置するとコミュニケーションが上手くいかない事で孤独になりがちで、不安感などの精神的な症状を発症してしまう事があるため、補聴器はなるべく早い段階で装用し社会的な生活を営みましょう。
聞こえのセルフチェック

聞こえにくくなってきた気がするものの、どの段階で補聴器の検討を始めるべきか迷っていて、なかなか相談に行くタイミングを掴めない方も多いです。
まずは補聴器をいつから使い始めるかを判断するために、自分の聞こえの状態をチェックしてみましょう。
セルフチェックリスト
以下の項目で当てはまるものにチェックをしてみてください。
□ 会話をしている時に聞き返すことがよくある
□ 後ろから呼びかけられると、気づかないことがある
□ 聞き間違いが多い
□ 話し声が大きいと言われる
□ 見えないところからの車の接近に気づかない
□ 電子レンジなどの電子音が聞こえない
□ テレビの音を大きくしないと聞こえない
□ 耳鳴りがある
このセルフチェックで該当項目が多い場合は、補聴器を使い始めるタイミングの目安として参考にしてください。
一般的には、周囲の人との会話で相手の話を聞き返すことが多くなったり、家族や友人から「聞こえが悪くなっていないかな?」と指摘された場合などは、補聴器の使用を検討してみましょう。
補聴器は専門店での購入がおすすめ!

補聴器の購入を考えている方の中には、ネットで調整ができない集音器を購入してしまう方がいますが、様々な補聴器を取り扱っている専門店での購入がおすすめです。
補聴器は高性能で値段が高いイメージがありますが、利用出来る補助金などがあるか調べてみましょう。
愛知県・岐阜県にお住まいの方で、
「補聴器を購入したいけどどれがいいのかわからない」
「自分が補聴器を使うべきかまだよくわからない」
「自分や家族の聞こえのレベルについて相談したい」という方は、お近くの愛知県補聴器センター・岐阜県補聴器センターへお気軽にご相談ください!
補聴器の専門家が、お客様のご希望に合った補聴器について丁寧にご案内いたします。
補聴器はいつから必要?|まとめ
今回は「補聴器はいつから必要なのか」について解説をしました。
難聴を放置してしまう事で様々なリスクが高まるため、聞こえに異変を感じた時はなるべく早く補聴器を装用する事が大切です。
補聴器は見た目や使用感など自分の気に入る補聴器を購入する事がおすすめです。
補聴器をはじめて購入する方は、ぜひお近くの愛知県補聴器センター・岐阜県補聴器センターへお気軽にご相談ください。