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補聴器の選び方は、人それぞれの聞こえの状態や使う場面によって大きく異なるため、「どの機種が自分に合っているのかわからない」「種類が多くて迷ってしまう」と感じる方も多いものです。
聞こえが悪いと感じたときは、早めに耳鼻咽喉科や補聴器専門店に相談することが大切です。
聴力検査と専門スタッフによるカウンセリングを受けることで、初めての方でも安心して自分に合う補聴器を選ぶことができます。
今は初めての方でも入りやすい雰囲気やサポート体制を整えた専門店が増えているため、不安なく相談できる環境が整っています。
お近くにお住まいの方はお気軽に愛知県補聴器センター・岐阜県補聴器センターへ足を運んでみてください。
補聴器の種類と特徴について

補聴器は、メーカー各社からさまざまな種類が発売されています。
補聴器を使うシーンや「きこえ」のレベルに合わせて、自分にあった補聴器を選ぶことが大切です。
なお、代表的な3タイプについては下記のように整理できます。
| タイプ | 主な特徴 | メリット |
|---|---|---|
| 耳あなタイプ | 耳の穴に装着 | 目立ちにくい・マスク/メガネに干渉しにくい |
| 耳かけタイプ | 耳の後ろに装着 | 装用感が軽い・操作が簡単 |
| ボックスタイプ | ポケット等に本体 | 安価で操作が簡単 |
それぞれのタイプ別に、以下で詳しく解説します。
補聴器の種類|耳あなタイプ
その名の通り、耳の穴に装着して使用します。
利用される方の形状に合わせてお作りする「オーダーメイド」と、すでに本体形状が決まっている「レディメイド」に分けられます。
耳をふさぐような形になるため、稀に装用感が気になる方もいらっしゃいますが、後述する耳掛けタイプと比べてもマスクや眼鏡に干渉しなかったり、汗に強いため、幅広いシーンで利用できます。
ただし、手先の細かい動作が苦手な方や、耳垢の性状によっては向かないこともあるため、事前の試聴や相談が大切です。
補聴器の種類|耳かけタイプ
補聴器本体を耳の後ろにかけて使用するタイプです。
操作も簡単で、扱いやすいのが特長です。
耳あなタイプと比べると軽い装用感のものが多く、圧迫感が苦手な方にも選ばれていますが、耳あなタイプと比べると汗に弱いという一面もあります。
また、マスクやメガネなどと同時使用する際は少し工夫が必要となる場合があり、汗や湿気の多いシーンでは注意も必要です。
補聴器の種類|ボックスタイプ
携帯ラジオのような箱型の本体に有線イヤホンをつないで使用する補聴器です。
耳あなタイプや耳かけタイプよりも比較的安価に購入でき、操作も簡単なボックスタイプですが、本体とイヤホンをつなぐケーブルが動作や装着時に邪魔になりやすく、持ち運びが不便に感じることもあります。
また、近年はよりコンパクトで高性能な耳かけ型・耳あな型が主流となっているため、利用者は少なめですが「操作を重視したい」「置き忘れやすい」という方に根強い支持があります。
聴力・ライフスタイルに合わせた選び方

補聴器は、ご自身の聞こえのレベルや、補聴器を使うシーンなどによっておすすめの種類が変わってきます。
そのため、自分に合った補聴器選びは「信頼できる補聴器のプロ」にご相談いただくのが一番です。
ここでは、自分に合った補聴器の選び方について解説します。
聞こえに応じた補聴器の選択
聞こえの低下は年齢とともに変化し、どの音域が聞き取りにくくなっているかや、普段どんな場面で不便を感じているかが重要な判断ポイントです。
例えば、「テレビを見る時間が長い方」は音質重視で調整しやすいタイプがおすすめです。「外出が多い」「人と会話する機会が多い」方には、騒音抑制機能や屋外で目立ちにくいデザインのモデルが向いています。
「家族との会話や友人とのコミュニケーションを大切にしたい」という場合は、声の周波数に合わせて細やかに調整できる補聴器を選ぶと失敗しにくいでしょう。
補聴器の相談は補聴器のプロにご相談を!
同じ顔が無いように、きこえのレベルも人それぞれ。
愛知県補聴器センター・岐阜県補聴器センターでは実際にお客様の聴力を測り、その方のライフスタイルをお聞きした上で補聴器選定をしていきます。
私たち愛知県補聴器センター・岐阜県補聴器センターでは、通信販売では決して出来ない、専門家による専門的なアドバイスをさせて頂きます。
購入前に確認すべきポイント

補聴器を選ぶ際に失敗しないためには、購入前の確認が重要です。
特に試聴・装用感・操作性を実際にしっかり体験することが大切です。
その上で、耳鼻科受診と補聴器専門店での相談を併用することが、正確な聴力測定と最適な提案を受けるポイントとなります。
初めての方でも安心して相談できるよう、専門店は親切・丁寧な対応を心がけているので、困ったことや疑問は遠慮なく問い合わせ、納得したうえで購入しましょう。
試聴・装用感・操作性の確認
購入前に補聴器の試聴は必ず行いましょう。静かな室内だけでなく、屋外での聞こえ方や、装着時の違和感も確認します。
さらに電池交換のしやすさやリモコン操作のわかりやすさなど「操作性」も重要です。
購入後の不便を防ぐため、試聴段階で細かな使い勝手までチェックしておくことが大切です。
「耳鼻科受診+補聴器専門店相談」の必要性
聞こえづらさを感じたら、まずは耳鼻科での診察をお勧めします。
その上で補聴器専門店で専門スタッフのカウンセリングを受け、あなたのライフスタイルや希望に合った機器や設定を選ぶことが大切です。
医療面のチェックと補聴器の調整を連携させることが、快適な補聴生活の基盤となります。
初めての方でも安心できるサポート
ほとんどの補聴器専門店では、初めて補聴器を使う方のために丁寧な説明やアフターサポートを用意しています。
使い方の説明や日常のメンテナンス、調整の必要性など分かりやすく教えてくれます。
また、購入後も定期的に訪問して調整できる店舗を選ぶと安心です。
こうしたサポート体制がある専門店なら、不安を抱えたまま始めることなく快適な補聴生活を送れます。
補助金・価格相場

補聴器の価格帯は非常に幅が広く、数万円台から60万円以上の高機能モデルまであります。
耳あなタイプや耳かけタイプ、ボックスタイプで価格相場が異なり、用途や機能に応じて選ばれます。購入時は本体価格だけでなく、専門スタッフの調整やサポート費用も含まれるため注意が必要です。
また、補聴器は「管理医療機器」に分類されているため、消費税が非課税であることも大きな特徴です。
価格負担を軽減するため、障害者手帳を持つ方は補装具費の支給を受けられる場合があります。
補助金の額は収入や聴力レベルによって異なり、自治体による支援もあるため、購入前に最寄りの福祉課や専門店で相談しましょう。
購入時の価格と公的支援のバランスを理解し、コスト面もふまえて無理のない補聴器選びを目指してください。
補聴器と集音器の違い

補聴器によく似た製品として「集音器」があります。
一見形はほぼ同じですが、機能や目的が大きく異なるため初心者にとっては誤解しやすいポイントとなります。
補聴器
補聴器は「医療機器」に分類されており、使用者の聴力や聞こえにくい音域だけをピンポイントで補正・調整し、日常生活の聞こえの質を細かくサポートします。
専門店での調整や医師の診断を受けたうえで購入、設定されるのが一般的です。
また、補聴器は長期的な使用を前提としていて、聴力の悩みが大きい方、医師に難聴を指摘された方におすすめです。
集音器
一方、集音器は家電扱いであり、周囲の音すべてを一律に増幅する仕組みなので、雑音も大きくなることが多く、細かい調整や音域ごとの補正はできません。
買い物や会話などで「少しだけ音を大きくしたい」ときなど、一時的・軽度な不便解消に向いた製品です。
価格帯や購入方法
価格も大きく違い、補聴器は5万円~50万円ほど、集音器は数千円~数万円です。
集音器は通販・家電量販店でも気軽に買えますが、難聴の方や音質にこだわる方は、必ず補聴器専門店で相談・試聴することが大切です。
誤解しやすいポイントとして「音が大きくなれば十分」という考えがありますが、実際には必要な音だけ、会話の音だけをしっかり聴きたい方には補聴器が不可欠です。
違いが分からないまま購入してしまうと「雑音ばかり大きくなって使いづらい」といった失敗につながるため、製品選びの前に必ず用途や目標を確認しましょう。
以下の表に「補聴器」と「集音器」の違いを主要な比較項目別に整理しました。
初心者が誤解しやすいポイントもまとめています。
| 項目 | 補聴器 | 集音器 |
|---|---|---|
| 製品区分 | 医療機器(管理医療機器、薬機法遵守) | 家電・オーディオ機器 |
| 目的・対象者 | 難聴者の聞こえを補助(軽度~重度難聴向け) | 一般的な音の聞き取り補助(軽度・一時的な不便) |
| 機能・調整 | 一人ひとりの聴力に合わせて細かく調整可能 | 音全体を一律で増幅、細かい調整は不可 |
| 雑音抑制など | 必要な音だけ増幅し雑音をカットできる | 周囲のあらゆる音をすべて増幅 |
| 価格帯 | 5万円~50万円以上 | 数千円~数万円 |
| 購入場所 | 医療機関・補聴器専門店(医師・スタッフの調整が必須) | 家電量販店、通販など |
| アフターケア | 専門スタッフのアフターサポート・調整・修理 | 基本的にセルフサポート/調整や点検はほぼなし |
| 公的補助 | 障害者総合支援法・各種自治体の補助制度あり | 公的補助はなし |
| 購入フロー | 医師の診断+販売店+定期調整 | すぐ購入可能、医療的サポートはなし |
| 誤解しやすい点 | 「音を大きくするだけでなく、聞きやすさを重視」 | 「雑音も大きくなり会話だけ選んで聞こえない」 |
補装具費の支給について
補装具費の支給を受けられるのは、障害者手帳をお持ちの方に限られます。
受けられる補助金額は、等級により決まります。
収入や聞こえのレベルによって補助額が決まっているため、事前にお住まいの福祉課などに相談してみましょう。
また、補聴器の補助金についての手続きについては、「補聴器を購入するときに利用できる補助金制度とは?申請方法などを解説」でも詳しく解説しているので、ぜひ合わせてチェックしてみてください。
聞こえのレベルに合わせて補聴器を選ぶ
まず、補聴器を利用し始めるタイミングですが、生活の中できこえが悪くなってきてしまったなと感じたら、なるべく早いタイミングで耳鼻咽喉科や補聴器の専門店に相談しましょう。
実は、聴力の低下は30代から始まっています。難聴が進んでしまうと、高い音からどんどん聞こえづらくなってしまい、聞こえる音が減ってしまいます。
しかし、補聴器を早いタイミングで利用することによって、耳や脳が補聴器の音に順応しやすくなります。
併せて「脳の言葉を聞き取る力」を維持するのにも寄与すると言われています。
補聴器の選び方|まとめ
補聴器を選ぶ際は、自分の聴力の状態やライフスタイル、予算に合わせて最適なタイプを選ぶことが大切です。
種類や価格、使い方で悩んだ場合は、まず専門家に相談し、納得できるまで試聴やサポートを受けてください。
補聴器は聞こえの質だけでなく、生活の質そのものを高めてくれる存在です。
もし迷ったときは、一人で悩まずに専門店や医師のアドバイスを積極的に活用することをおすすめします。
愛知県・岐阜県にお住まいの方で、補聴器についてわからないことがある方は、ぜひお近くの補聴器センターにご相談ください。