補聴器は医療費控除の対象?控除の条件やいくら戻るかについて解説

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医療費控除とは、基準以上の医療費を支払った際に受けられる控除です。

医療費控除は、治療費や入院費、処方された医薬品の代金だけでなく、通院の際にかかった交通費も対象となります。

特にご高齢の方は、長く治療する疾患も増えるため、自分の受けている治療などが医療控除の対象になるか心配になってしまう方も多いのではないでしょうか。

今回は、補聴器が医療控除の対象となるのか、医療控除の条件や戻ってくる金額について解説します。

補聴器は医療控除の対象

補聴器は医療控除の対象

結論として、2018年に財務省から医療費控除の対象として正式に認定されたため、補聴器の購入にかかった費用は医療費控除の対象となります。

しかし、注意すべきなのは「補聴器を購入した全員が対象ではない」ということと、「購入した金額が全額戻るものではない」ということです。

補聴器を購入する前に、自分が医療費控除の対象となるのか、補聴器の金額に対してどのくらいの金額が戻ってくるのかなどを事前に把握したうえで、補聴器の購入を検討しましょう。

補聴器で医療控除を受ける条件

補聴器で医療控除を受ける条件

ご高齢の方や、年金を受給している方でも、確定申告を行うことで医療費控除を受けることができます。

しかし、医療費控除とは、単純にお金が戻ってくる制度ではなく、あくまで所得税や住民税の控除が受けられる制度ですので、所得税や住民税が非課税の場合は控除を受けることができません。

医療費控除を受けるには「補聴器相談医」の受診が必須

補聴器の購入で医療費控除を受けるには、「補聴器相談医」という資格を持った医師による診断が必須となります。

お近くのどの医療機関に「補聴器相談医」が在籍しているかは、「日本耳鼻咽喉科学会HP」にある「補聴器相談医名簿」で調べることができます。

参考:補聴器相談医名簿

補聴器の購入で医療控除を受ける流れ

補聴器の購入で医療費控除を受けるには、下記の流れで申請が必要です。

  1. 難聴患者は、まず補聴器相談医を受診し、必要な問診・検査を受ける。
  2. 補聴器相談医は「補聴器適合に関する診療情報提供書(2018)」に必要な事項を記入し*1、患者に手渡す*2
  3. 患者は補聴器専門店に行き、「補聴器適合に関する診療情報提供書(2018)」を提出し、補聴器を購入する。
  4. 患者は「補聴器適合に関する診療情報提供書(2018)」の写しと補聴器の領収書を受け取り、当該年度の確定申告における医療費控除対象として申請し、保存する。(税務署から求めがあった場合は、これを提出する。)

*1「補聴器適合に関する診療情報提供書(2018)」の5.項の・補聴器を必要とする主な場面(□医師等による診療や治療を受けるために直接必要)の□に必ずチェックを入れて下さい。これが医療費控除とするために必須の項目、論拠となります。

*2「補聴器適合に関する診療情報提供書(2018)」はあくまでも上記*1の根拠を示す資料であり、診断書ではありません。

参考:補聴器購入者が医療費控除を受けるために

補聴器の医療控除を受ける際に必要になるものは?

先述したように、補聴器の医療費控除には、補聴器相談医の診断が必要になります。

補聴器が必要だと診断された場合、「補聴器適合に関する診療情報提供書(2018)」が補聴器相談医によって作成されます。

その後、認定補聴器専門店にて「補聴器適合に関する診療情報提供書(2018)」の写しと領収書が発行されるため、必ず受け取るようにしましょう。

このとき、認定補聴器専門店もしくは認定補聴器技能者以外から補聴器を購入した場合は医療費控除を受けることができないため注意が必要です。

また、

  • 「補聴器適合に関する診療情報提供書(2018)」の写し
  • 領収書

の2点については、確定申告の際や税務署から提出を求められた際に必須となるので、大切に保管するようにしてください。

補聴器の医療控除でいくら戻る?

補聴器の医療控除でいくら戻る?

補聴器の医療費控除は、家庭によっていくら戻ってくるのかは変動します。

冒頭でも説明したように、購入した補聴器の代金がすべて補填されるというものではありません。

一定額以上の医療費を支払った場合において、税金の一部が戻ってきます。

基本的に、その年の1月1日から12月31日までの間に、自分と生活費が一緒である家族の医療費が10万円を越えると、超過した分が医療費控除の対象となります。

ここで注意すべきは、年末調整では医療費控除を受けることができないため、たとえ補聴器を購入したのが会社員の方であっても確定申告を行う必要があります。

ここでは、補聴器を購入した際に具体的にいくら医療費控除で戻ってくるのかについて解説します。

医療費控除の起算式

医療費控除額は、以下の式で算出できます。

(支払った医療費の合計額ー保険金で補填される金額※①)ー10万円=②
②×所得税率=実際に戻ってくるお金

※①は、生命保険で支給される入院費のお金や、出産育児一時金などが含まれます。

さらに、実際に戻ってくる金額については、補填された金額からさらに10万円を引いた金額に対して、所得に応じた税率をかけたものになります。

課税所得額税率
1,000円~1,949,000円5%
1,950,000円~3,299,000円10%
3,300,000円~6,949,000円20%
6,950,000円~8,999,000円23%
9,000,000円~17,999,000円33%
18,000,000円~40%

一般的に、所得が多いほうが還元率も高くなるとされています。

正しい手順を踏んで、医療費控除を受けられるようにしましょう。

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補聴器の医療控除について|まとめ

補聴器の医療費控除についてまとめると以下のようになります。

  • 補聴器の購入は医療費控除として取り扱える
  • 年金などを受け取っている方でも対象になるが、一定の制限はある
  • 医療費控除を受けるには補聴器相談医の診断や認定補聴器技能者からの購入が必要

今回ご紹介したように、医療費控除は誰でも受けられるものではありません

また、医療費控除を受けるために書面による手続きや確定申告なども必要になってくるので、手続きを面倒と感じてしまう方もいらっしゃるかもしれません。

補聴器の購入や、医療費控除について相談してみたいという方は、ぜひお近くの愛知県補聴器センター・岐阜県補聴器センターへお気軽にご相談ください。

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また、補聴器の購入に役立つ「補助金」についても解説している記事がありますので、ぜひそちらも合わせてご確認ください。

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