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ご高齢の方の聞き間違いは、本人も家族も「歳だから仕方がない」「高齢者なら誰でも聞き間違いが増えるだろう」と放置してしまいがちです。
しかし、聞き間違いを放置すると、認知症や事故など、さまざまな危険につながる可能性があります。
本人に聞き間違いが増えた自覚がない場合は、ご家族が気づいて指摘し、原因を把握した上で、補聴器などの対処法を検討する必要があります。
この記事では、ご高齢の方の聞き間違いの原因を確認した上で、聞き間違いが増えやすい場所や、具体的な対処法などを解説します。
目次
ご高齢者の聞き間違いの原因とは

ご高齢の方の聞き間違いの原因はさまざまですが、加齢性難聴が原因となっているケースが最も多いです。加齢により内耳の聴覚細胞が減少・機能低下する事や脳の神経細胞の働きが低下し、特に高音域の音が正確に聞こえにくくなります。
例えば、以下のような音が聞こえにくくなります。
- 女性の声
- ドアチャイムの音
- 電子レンジやタイマーの「ピピッ」という音
- 飲食店や駅など、雑音の中での相手の声
加齢性難聴は「歳のせいだから仕方ない」と軽く考えられることが多いですが、放置すると認知症の発症や交通事故につながることもあるため注意が必要です。
ご高齢者はどんなときに聞き違いが増える?

ご高齢の方の聞き間違いは特定のシーンによって増えるケースが多くあります。
ここでは、ご高齢の方がどんなときに聞き間違いが増えるのか見ていきましょう。
騒がしい場所での聞き違い
加齢性難聴では高い音が聞こえにくくなりますが、特に雑音が多い環境だと、会話と周囲の音を区別しづらくなります。
例えば、レストランやカフェで家族や友人と食事をしているとき、食器の音や周囲の会話が重なると、話し手の声が聞こえにくくなり、聞き間違いが増えてしまいます。
また、駅や街中など雑音の多い場所でも、話し相手の声を特定しづらく、聞き間違えたり、ほとんど聞こえなかったりすることがあります。
自宅のような静かな環境では聞き間違いがあまり目立たない場合でも、外出すると急に聞き取りが悪くなることは珍しくありません。
ご家族や周囲の方が外出時の変化に気づいてあげることが、早期発見と適切な対応につながります。
テレビの音が聞こえにくい
「高齢の家族がなぜテレビの音量を大きくするのか」と疑問に思っている方は多いですが、加齢性難聴もテレビの音が聞こえづらくなる要因の一つです。
加齢によって音を感知する細胞数が減り、小さな音では音の情報を脳にうまく伝えられなくなります。
さらに、子音部分が不明瞭に聞こえるため、音量を大きくしても内容が聞き取りにくくなります。
テレビの音に関しては、以下の記事でも詳しくご紹介しています!
テレビの音が聞こえにくい?ご高齢者様の難聴やご家族の悩みを解決するには
聞き間違いが増えるとどんなリスクがある?

ご高齢の方で聞き間違いが増えてくると、日常生活にさまざまな支障が出てきます。ここでは、聞き間違いが増えるとどんなリスクがあるのか確認していきましょう。
うつ病や認知症のリスクが高まる
聞き間違いが増えると、周囲と会話がかみ合わなくなったり、何度も聞き直すのが億劫になったりして、会話を避けがちになります。
周囲との会話が減ると孤独に陥ったり疎外感を抱いたりして、うつ病を患うことがあります。
慶應義塾大学耳鼻咽喉科が行った高齢者を対象としたコホート研究では、難聴がある人は聞こえが正常な人に比べて、うつ病を発症するリスクが男性では約3倍以上、女性では約2倍になるという結果が出ています。
また、聞き間違いや難聴により、コミュニケーションの機会が減り、自室に閉じこもりがちになると、認知症を発症しやすくなります。
近年の海外での研究では、中年期に難聴があると高齢期に認知症のリスクがおよそ2倍上昇するという結果も出ています。
一方で、自分に合った補聴器を用いることで、認知症の発症リスクを抑えられるという報告もあります。
認知症を予防するためにも、補聴器を着けるなどして周囲とのコミュニケーションを積極的にとることが大切です。
事故に遭うリスクが高まる
聞き間違いがあると、日常生活において命に関わる危険が生じることがあります。
例えば、踏切の警報音が聞こえにくいと、電車が近づいていることに気づかず、事故に巻き込まれる可能性があります。
また、防災サイレンの音が聞こえないと、対応が遅れてしまうケースもあります。
災害時のリスク
特に、災害時には避難指示や緊急アナウンスを正しく聞き取れないことが命に関わる問題となります。
台風や津波が発生した際に「すぐに高い場所へ避難してください」「南側には行かないでください」という放送を聞き間違えたり聞き逃したりすると、危険な方向へ移動してしまったり、避難が遅れて命を落とすリスクが高まります。
このような聞き間違いは、不便ではすまされない命に関わる重大な問題です。
本人に聞き間違いの自覚がない場合は、ご家族が聞き間違いに気づき、早急な対処が必要になります。
特に、一人暮らしのご高齢の方は、補聴器を着けるなどで、周囲の音を常に聞こえる状態にしておくことが大切です。
ご高齢者が聞き違いが増えた場合の対処法

ご高齢の方の聞き間違いが増えた場合、どのような対処をすればよいのでしょうか。ここでは、具体的な対処法を解説します。
まずは聞こえの状態を把握する
聞き間違いが増えてきた場合、最初に大切なのは現在の聞こえの状態を客観的に把握することです。
年齢とともに起こる加齢性難聴は代表的な原因のひとつですが、聞こえにくさの現れ方には個人差があります。
また、耳垢の詰まりや生活環境による影響など、比較的身近な要因が関係しているケースもあります。
「歳だから仕方ない」と自己判断して放置してしまうと、聞こえの低下に気づくのが遅れ、日常生活での不便や聞き間違いが増えてしまうこともあります。
そのため、まずは聴力測定などを通じて、自分の聞こえがどのような状態なのかを確認することが重要です。
補聴器専門店などで相談・購入を検討する
聞こえの状態を把握したうえで、補聴器専門店や補聴器を取り扱う店舗に相談するのも有効な方法です。
補聴器専門店では、聴力や補聴器に関する知識を持ったスタッフが在籍しているので、聞こえづらさの傾向に応じたアドバイスを受けられます。また、落ち着いた空間で聴力測定も可能です。
自分の聞こえに合った補聴器を使用することで、会話の聞き間違いが減ったり、周囲の音が以前より聞き取りやすくなったりするケースも少なくありません。
日常生活での不安を減らすためにも、早めに専門店で相談してみることをおすすめします。
ご高齢者が聞き間違い多いのは危険? 原因や対処法などを解説|まとめ
ご高齢の方の聞き間違いは、本人も家族も「年齢のせいだから仕方ない」と軽く考えてしまいがちです。
しかし、そのまま放置していると、コミュニケーションのトラブルや命に関わる事故など、思わぬ危険につながることもあります。
聞き間違いが増えることのリスク
- うつ病のリスクが2〜3倍に
- 認知症のリスクが約2倍に
- 災害時の避難の遅れ
- 交通事故のリスク増加
もし、ご本人やご家族で聞き間違いに悩んでいるようでしたら、補聴器をご利用いただくことをおすすめします。
自分に合った補聴器を装着することで、聞き間違いの回数が減り、家族や友人との会話がより楽しくなります。
また、災害時のアナウンスや交通音をしっかり聞き取れるようになり、事故のリスクも大幅に低減できます。
ご家族の中に聞き間違いの多いご高齢の方がいらっしゃる場合は、ぜひ補聴器専門店へ相談してみてください。
愛知県・岐阜県にお住まいの方で、ご家族の難聴や聞き違いに悩まれているという方は、愛知県補聴器センター・岐阜県補聴器センターへお気軽にご相談ください。
スタッフ一同お待ちしております!