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補聴器を使用されている方の中には、「お風呂に入るときはどうしたらいいの?」「うっかり濡らしてしまったらどうなるの?」という不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
基本的に、一般的な補聴器をつけたままお風呂に入ることは推奨されていないので、お風呂に入る際は補聴器を外して入るようにしましょう。
本記事では、補聴器の防水性能について詳しく解説し、万が一濡らしてしまった場合の対処法や、防水補聴器についてご紹介していきます。
防水性能のIPって何?

補聴器の防水性能は、IP規格で表示されています。
IPとは「International Protection(インターナショナル・プロテクション)もしくはIngress Protection」の略称で、電子機器における防水性能と防塵性能を示す国際規格を指します。
IP○○と記載されている前半の数字が防塵、後半の数字が防水性能の高さを示しています。
防水性能は0から8までの9等級で以下のような規定があります。
| IPコードの表記 | 防水性能の詳細 |
|---|---|
| IPX0 | 防水について保護されていない |
| IPX1 | 垂直に落ちてくる水滴によって有害な影響を受けない |
| IPX2 | 垂直より左右15°以内からの降雨によって有害な影響を受けない |
| IPX3 | 垂直より左右60°以内からの降雨によって有害な影響を受けない |
| IPX4 | いかなる方向からの水の飛沫によっても有害な影響を受けない |
| IPX5 | いかなる方向からの水の直接噴流によっても有害な影響を受けない |
| IPX6 | いかなる方向からの水の強い直接噴流によっても有害な影響を受けない |
| IPX7 | 規程の圧力、時間で水中に没しても水が浸入しない |
| IPX8 | 水面下での使用が可能 |
例えば、この記事の後半でもご紹介する「リサウンド・ネクシア」はIP68の防塵・防水規格を備えているので、水濡れや水没に強いモデルとなっています。
お風呂や汗も注意!補聴器を濡らす原因

お風呂以外にも、日常生活の中で補聴器が濡れる機会は意外と多く存在するため、事前に知っておくことでトラブルを未然に防ぐことができるでしょう。
ここでは日常生活において、補聴器が濡れてしまうかもしれないシーンを紹介するので参考にしてください。
雨の日の外出
雨の日の外出は、補聴器が濡れる身近な要因の一つで、傘をさしていても、風の強い日や横殴りの雨では、補聴器に雨水がかかってしまう可能性があります。
特に耳掛け型の補聴器を使用している方は、帽子をかぶったり、フードを使用したりして、できる限り補聴器を雨から守り、外出後は補聴器の表面を乾いた布で優しく拭き取るようにしましょう。
また、雨が予想される日は、万が一濡れてしまった場合に備えて予備の電池を持参すると、迅速に対応できるのでおすすめです。
暑い日やスポーツ後の汗
夏場の暑い日やスポーツをした後の汗も、補聴器にとっては大きな負担です。
汗には塩分が含まれているため、電子部品を腐食させる可能性があり、単なる水濡れよりも深刻な問題を引き起こすことがあります。
運動をする際は、可能であれば補聴器を外すことが理想的ですが、安全上の理由で外せない場合は、吸汗性の高いヘッドバンドやタオルを使用して、汗が補聴器に直接かからないよう工夫しましょう。
運動後は、補聴器の表面を丁寧に清拭し、完全に乾燥させることが重要です。
補聴器を濡らしてしまった時の対処法
万が一補聴器を濡らしてしまった場合、適切な対処を行うことで故障を最小限に抑えることができるので、慌てずに以下の手順を実行してください。
- 電源を切る
- 電池を取り外す
- 乾燥させる
- 補聴器専門店で見てもらう
それぞれ詳しく解説していくので、知識として知っておきましょう。
電源を切る
補聴器が濡れてしまったら、まず最初に電源を切ることが重要で、電源が入ったまま水に濡れると内部でショートが発生し、修復不可能な故障につながる恐れがあります。
電源ボタンがある場合は即座に切り、ない場合は電池を取り外すことで電源を遮断しましょう。
電池を取り外す
濡れた状態で電池が入っていると、電気的な損傷が継続する可能性があるため、速やかに電池を取り外します。
電池室も水分で濡れている場合があるので、乾いた布やティッシュで丁寧に水分を拭き取ってください。
電池室内に水分が残っていると、腐食の原因となり、後々の動作不良につながることがあるため、取り外した電池も濡れている場合は、新しい電池に交換することをおすすめします。
乾燥させる
水分を拭き取った後は、補聴器を完全に乾燥させることが必要です。
自然乾燥だけでなく、補聴器専用の乾燥剤やドライケースを使用することで、より確実に内部の水分を除去できます。
ドライヤーや直射日光での乾燥は避けてください。
高温は補聴器の内部部品を損傷させる可能性があります。最低でも24時間は乾燥させ、完全に水分が除去されたことを確認してから使用を再開しましょう。
補聴器専門店で見てもらう
自己対処だけでは不安な場合や、乾燥させて電源を入れても、音が聞こえない、ザーザーという雑音がする、音が途切れるなどの異常がある場合は、すぐに使用を中止し、お近くの補聴器専門店に相談してください。
早期の対応により、完全な故障を防げる場合も多いため、少しでも異常を感じたら相談してみましょう。
経験豊富なスタッフが適切な診断と処置を行いますので、近くにお住まいの方は愛知県補聴器センター・岐阜県補聴器センターにお越しください!
水濡れに強い!高い防水性能を持つ補聴器3選

どうしてもお風呂でも補聴器を使用したいという方のために、日常生活での水濡れにも安心して使用できる、高い防水性能を持つ補聴器をご紹介します。
それぞれ異なる特徴があるため、目的や欲しい機能を考えて検討してみましょう。
リサウンド・ネクシア(耳あな型・耳掛け型)
リサウンド・ネクシアは、IP68の高い防水性能を誇る補聴器で、この規格は、一定時間の水没にも耐えることができる最高レベルの防水性能を示しています。
耳あな型と耳掛け型の両方が用意されており、使用者の好みや聴力の程度に応じて選択できます。
また、Bluetooth機能も搭載されているため、スマートフォンとの連携も出来るため、雨の日や汗をかく場面でも安心して使用できるでしょう。
スターキー GenesisAI(耳あな型・耳掛け型)
スターキーのGenesisAIは、AI技術を搭載した最新の防水補聴器で、IP68規格の防水性能に加えて、優れた音質と使いやすさを実現しています。
特徴的なのは、環境に応じて自動的に音質を調整するAI機能です。
様々な音響環境に合わせて最適な聞こえを提供してくれるため、入浴中でも快適な聞こえを維持できることに加え、充電式バッテリーも搭載されており日常的な使用にも便利な設計となっています。
ベルトーンEnvision(耳掛け型)
ベルトーンEnvisionは、耳掛け型の防水補聴器として高い評価を得ている製品で、IP68規格の防水性能を持ちながら、軽量で装着感が良いことが特徴となっています。
操作も簡単で、ボタン一つで音量調整やプログラム変更が可能であり、片手で簡単に操作できるため、安全性も確保されています。
また、耐久性にも優れており、長期間の使用にも安心して対応できるでしょう。
お風呂で補聴器を濡らしてしまったら専門店へご相談を!

補聴器の水濡れトラブルは、適切な対処により最小限に抑えることが可能です。しかし、自己判断だけでは限界があり、専門的な診断と対応が必要な場合も少なくありません。
愛知県補聴器センター・岐阜県補聴器センターでは、水濡れによるトラブルにも迅速に対応しており、経験豊富なスタッフが丁寧に診断を行います。
修理が必要な場合も、適切な説明を受けることができるため、安心して任せることができるでしょう。
また、補聴器センターでは防水補聴器の取り扱いも豊富で、生活スタイルに合わせた製品選びのアドバイスも受けられるのでおすすめです。
補聴器は濡れても大丈夫?|まとめ
補聴器は精密機器のため水濡れに注意し、お風呂に入る際は基本的に外して、汗や雨などの日常的な水分にも十分対策を行いましょう。
万が一濡らした場合はすぐ電源を切り、乾燥処置を施すことが大切です。
どうしても防水性能が高い補聴器を選びたい方にとっては、防水補聴器の選択や専門店での定期的な点検も安心につながります。
お近くにお住まいの方は愛知県補聴器センター・岐阜県補聴器センターで、専門的なアドバイスやサポートを受けられるため、是非お気軽にご相談下さい!