補聴器にはどんな種類がある?補聴器の特徴や価格・メリットを解説

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補聴器の購入を考えている方の中には、種類が多すぎて「どれが自分にぴったりなんだろう?」と頭を悩ませている方が多いです。

補聴器には様々な種類があり、利用される方のライフスタイルや補聴器の利用シーンによって選ぶ必要があります。

この記事では、補聴器にはどのような種類があるのか、補聴器の特徴や価格、メリットなどを解説します。

補聴器の種類ごとの比較もしているので、ぜひ参考にしてみてください。

補聴器の種類について

耳に音が届く

補聴器は主に3種類あります。

  • 耳あなにいれる「耳あなタイプ」
  • 耳にかける「耳かけタイプ」
  • イヤホンをつないでポケットに本体を入れる「ボックスタイプ」 

ここでは、補聴器の種類ごとに、特徴を解説します。

補聴器の種類|耳あなタイプ

耳あなタイプの補聴器は、その名の通り耳の穴に装着して使用する補聴器です。

耳あなタイプの補聴器は、コンパクトで目立ちにくいデザインが多いため、初めて補聴器を使う方でも抵抗感が少なく、気軽に装用しやすいのが特徴です。

利用される方の耳あなの形状に合わせて作られる「オーダーメイドタイプ」が一般的ですが、本体の形状が決まっている「レディメイド」という種類もあります。

補聴器の種類|耳かけタイプ

補聴器本体を耳の後ろにかけて使用する補聴器です。耳あなタイプと比べて操作が簡単で扱いやすいのが特徴です。

耳掛けタイプの補聴器は閉塞感が少なく、装着時の違和感を軽減できるため、補聴器に慣れていない方でも快適に使用しやすくなっています。

おしゃれでカラフルなデザインも多く、多くの方に利用されているタイプです。

補聴器の種類|ボックスタイプ

ボックスタイプ補聴器は、本体とイヤホンがコードで繋がっている補聴器です。耳あなタイプや耳かけタイプに比べて本体やスイッチが大きく、操作がしやすいのが特徴です。

また、聞こえの適応範囲が広く、特に重度の難聴の方に適しているため、高・重度難聴の方に利用されています。しかし、補聴器本体が大きいため、持ち運びの際に不便さを感じることもあります。

シンプルな操作性と高い出力を求める方におすすめの補聴器です。

補聴器の種類ごとの価格相場

耳を診断

補聴器は種類によって価格に幅があり、高額なものほど便利な機能が充実しています。

補聴器の種類ごとの価格相場は以下の通りです。

補聴器の種類 価格相場
耳あなタイプ 100,000円~680,000円程度
耳かけタイプ 50,000円~670,000円程度
ボックスタイプ 29,000円~100,000円程度

補聴器には騒がしい環境でも聞き取りやすくなる機能や、小型で目立ちにくいデザインなど、価格が上がるほど快適さや使い勝手も向上します。

ここからは、補聴器の種類ごとの価格相場について詳しく解説します。

耳あなタイプ補聴器の価格相場

「耳あなタイプ」の価格は100,000円~680,000円程度

耳あなタイプの補聴器はオーダーメイドで作られることが多く、装着者の耳に合わせた精密な加工が必要なため、既製に比べ数万円高くなります。

また、小型ながら高度なデジタル処理技術が搭載されており、機能が充実するほど価格が上がります。

耳かけタイプ補聴器の価格相場

「耳かけタイプ」の価格は50,000円~670,000円程度

耳掛けタイプの補聴器は、基本的なモデルは比較的安価ですが、高性能なノイズキャンセリングやAIによる音声処理機能を搭載したものは価格が高くなります。

また、バッテリーの持続時間や防水機能などの追加要素も価格に影響します。

ボックスタイプ補聴器の価格相場

「ボックスタイプ」の価格は29,000円~100,000円程度

ボックスタイプ補聴器は、比較的シンプルな構造のため低価格帯のものが多いですが、高性能なマイクや音声処理機能が加わると価格が上がります。

補聴器の種類ごとのメリット

四角の箱が3つ

補聴器にはさまざまな種類があり、それぞれにメリットがあります。

自分に合った補聴器を選ぶためには、それぞれの違いを知り、ライフスタイルや聴力に合わせて選定することが大切です。

ここでは、補聴器の種類ごとのメリットについて分かりやすく解説していきます。

耳あなタイプ補聴器のメリット

耳あなタイプの補聴器は、耳の穴の中にすっぽりと収まるため、周囲から目立ちにくく、装用していることがほとんど分かりません。そのため、見た目を気にせず使えるのが大きなメリットです。

さらに、メガネやマスクを日常的に使う方にとっても、耳あなタイプ補聴器は邪魔になりにくく、快適に装着できます。

オーダーメイドで作られる耳あなタイプの補聴器は、自身の耳の形にぴったりフィットし、快適な装着感を得られます。また、外耳道(耳の穴)を活用して音を自然に集めるため、より自然な聞こえ方になりやすいのも魅力です。

目立ちにくさ、快適さ、自然な聞こえを求める方にぴったりの補聴器です。

耳掛けタイプ補聴器のメリット

耳掛けタイプの補聴器は、高出力で幅広い聴力レベルに対応できるのが大きなメリットです。軽度から重度の難聴まで、さまざまなニーズに合わせた調整が可能です。

また、ボタンが大きめで操作がしやすく、電池の持ちが比較的良いため、扱いやすさもメリットのひとつです。充電式モデルでは長時間の使用が可能で、日常生活でも安心して使えます。

さらに、耐久性に優れ、湿気や衝撃に強い設計のため、長期間安定して使用できるのもメリットです。

使いやすさとパワフルな性能を兼ね備えた耳掛けタイプ補聴器は、快適で安心な聴こえをサポートしてくれます。

ボックスタイプ補聴器のメリット

ボックスタイプ補聴器は、本体が大きめに設計されているため、ボタン操作がしやすく、電池の持ちが良いのがメリットです。

また、比較的安価で手に入れやすいため、コストを抑えながら補聴器を使用したい方にもおすすめです。

補聴器の種類ごとのデメリット

デメリットを感じている人

補聴器にはさまざまな種類があり、それぞれにメリットがありますが、同時にデメリットも存在します。

メリットとデメリットをしっかり理解することで、自分にぴったりの補聴器を選ぶことが可能です。

ここでは、各種類の補聴器におけるデメリットについて詳しく解説していきます。

耳あなタイプ補聴器のデメリット

耳あなタイプ補聴器はコンパクトな設計のため、電池の持ちが短く、音量調整などの操作がしづらいという点があります。特に小型の耳あなタイプは、ボタンが小さく細かい操作が必要になります。

また、耳垢や湿気の影響を受けやすく、こまめな掃除が必要です。適切なメンテナンスをしないと、音のこもりや故障の原因になることもあります。

さらに、紛失しやすい点にも注意が必要です。特に取り外しの際には、決まった場所で保管する習慣をつけることが大切です。

耳掛けタイプ補聴器のデメリット

耳掛けタイプ補聴器は、耳の後ろにかけるため、見た目がやや目立つ点があります。特に髪が短い方や、見た目を気にする方にとってはデメリットに感じることもあります。

また、メガネやマスクと干渉しやすく、着脱時に引っかかることがあるのも注意点です。特にメガネを常用する方は、フィット感や装着時のバランスを考慮する必要があります。

さらに、屋外では風切り音が入りやすく、強風の環境では聞こえづらさを感じることもあります。対策として、風切り音を抑える機能がついたモデルを選ぶのも有効です。

パワフルで扱いやすい一方で、装着時の工夫や環境への配慮が求められる補聴器です。

ボックスタイプ補聴器のデメリット

ボックスタイプ補聴器は、本体が大きいため、持ち運びに不便を感じることがあるのがデメリットです。

ポケットや首から下げて使用することが多いため、携帯性を重視する方にはやや扱いづらい補聴器の種類です。

また、イヤホンと本体をつなぐコードが邪魔になりやすく、衣服にこすれると雑音が発生しやすい点にも注意が必要です。特に動きの多い場面では、摩擦音が聞こえやすくなることがあります。

さらに、動きながらの使用には向いていないため、スポーツやアクティブな活動をする際には使いにくさを感じることがあります。

手頃な価格が魅力のボックスタイプ補聴器ですが、使用環境やライフスタイルに合わせた選択が大切です。

補聴器の種類を比較

補聴器

補聴器は装用する方のきこえのレベルや、生活環境によって、推奨される補聴器の種類が変わってきます。

たとえば、一般的に多く利用されている「耳かけタイプ」は多くの種類があり、軽度の難聴から重度難聴まで幅広いレベルに対応できます。

難聴区分・きこえの程度ごとにどの補聴器が利用されているのかを比較しました。

難聴区分 正常値 軽度難聴 中等度難聴 高度難聴 重度難聴
きこえの程度 よくきこえる 小さい声での会話が聞き取りにくい 普通の会話でよく不自由を感じる 耳元に口か近づけないと会話を聞き取りにくい 耳元に口か近づけないと大声でも聞き取りにくい ほとんどわからない
耳あなタイプ
耳かけタイプ
ボックスタイプ

参考:聞こえのしくみと補聴器|日本補聴器販売店協会

それぞれの補聴器を比較して、自分にはどの補聴器が適しているかを考えましょう。

それぞれの補聴器はどんな人におすすめ?

ジョギングをしている三人

補聴器にはさまざまな種類があり、それぞれ適した人が異なります。  

補聴器が自分に合っていると思って購入したとしても、日常生活のスタイルや使い方によっては、期待通りではないこともあります。

そのため、自分に最適な補聴器のタイプを見極めることが重要です。  

ここからは補聴器の種類ごとに、どんな人に適しているのかをわかりやすく解説します。

耳あなタイプはどんな人におすすめ?

耳あなタイプの補聴器は、他の種類と比べても目立ちにくく外れにくいという特徴があります。

また、耳かけタイプと違い、眼鏡や帽子などを利用しても邪魔にならないというメリットがあります。

使用される方の耳の形に合わせて作られたオーダーメイド製が一般的ですが、耳の形状によっては利用できないケースや、下記のようなデメリットもあります。

  • ハウリングが他の種類と比べて起きやすい
  • 耳垢による故障などの影響を受けやすい

【耳あなタイプがおすすめの方】

  • 目立たない補聴器を探している方
  • 眼鏡や帽子、マスクをよく利用される方
  • スポーツをする習慣のある方

【耳あなタイプをおすすめしない方】

  • 高度な難聴をお持ちの方
  • 多機能な補聴器をお探しの方

耳かけタイプと耳あなタイプでは、おすすめする人がまったく対極になります。

耳かけタイプはどんな人におすすめ?

耳かけタイプは、音の調整力が高く、重度の難聴にも対応しているというメリットがあります。

さらに、補聴器の種類の中でも一番多くの機能が搭載できるのが耳かけタイプの大きな特徴です。

一方で、耳かけタイプは耳あなタイプと比較しても下記のようなデメリットがあります。

  • 目立ちやすい
  • 眼鏡や帽子、マスクを利用する際には邪魔になる
  • 汗水に弱い

【耳かけタイプがおすすめの方】

  • 高度な難聴をお持ちの方
  • 多機能な補聴器をお探しの方

【耳かけタイプをおすすめしない方】

  • 眼鏡や帽子、マスクをよく利用される方
  • スポーツをする習慣のある方

ボックスタイプはどんな人におすすめ?

ボックスタイプの長所は、価格が安くて比較的入手しやすいことと、補聴器の操作がわかりやすいことです。

しかし、本体が大きいため、持ち運びには不向きという一面もあります。

【ボックスタイプがおすすめの方】

  • 比較的安価な補聴器を探している方
  • 高度難聴の方
  • 補聴器を使うシーンが限定されており、あまり補聴器を持ち出さない方

【ボックスタイプをおすすめしない方】

  • スポーツをする習慣のある方
  • 出掛先でも補聴器を使いたい方
  • 高度な操作が必要な方

補聴器と集音器は種類が違うため注意!

子どもの耳に音が届く

補聴器と集音器は、一見すると同じように思えますが、実は大きな違いがあります。

補聴器は医療機器として認可されており、使用者の聴力に合わせた細かい調整が可能なのに対し、集音器は単純に周囲の音を増幅する機器です。

そのため、ただ音を大きくしたいだけでなく、「言葉をはっきり聞き取りたい」「騒がしい場所でも会話を楽しみたい」といった目的がある場合は、補聴器を選ぶことが重要です。

集音器では微細な調整ができないため、「聞こえにくさ」を本格的に改善したい場合は、最初から補聴器を検討することをおすすめします。

補聴器を選ぶときは専門家に相談しましょう

補聴器専門家

補聴器は、種類によってメリットやデメリットがあり、値段なども変動します。

そのため、初めて補聴器を選ぶ際に、どのように選んだらいいのか悩んでしまうという方も多くいらっしゃいます。

補聴器を選ぶ際には、お近くの補聴器専門店に相談してみましょう。

愛知県補聴器センター・岐阜県補聴器センターでは、実際にお客様の聴力を測り、その方のライフスタイルをお聞きした上で補聴器選定をしていきます。

補聴器に対してのご要望や、ご予算、補聴器の種類についてお気軽にご相談ください。

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補聴器にはどんな種類がある?|まとめ

補聴器の種類は主に下記の3つがあります。
  • ・耳あなタイプ
  • ・耳かけタイプ
  • ・ボックスタイプ

補聴器は種類ごとに特徴やメリット、デメリットがあり、費用感も変わってきます。

数多くの種類の中から愛知県補聴器センター・岐阜県補聴器センターでは、お客様一人ひとりにあった補聴器をご紹介しています。

補聴器に不信感を持っている方でも、実際に試してみるとその快適さに驚かれる方も多いです。

愛知県・岐阜県にお住まいの方で、
「補聴器についてわからないことがある」
「最近家族の耳が遠くなっている気がする」
とお悩みの方は、ぜひお近くの補聴器センターにご相談ください。

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